エムガルティ1, 2

先生と以前から相談していた頭痛予防の新薬、エムガルティ(注射)を使用することを決めた。エムガルティは、パンフレットによると「抗体医療」という新しい薬らしい。そのパンフレットには、頭痛を予防する仕組みや、初回は血中濃度を安定させるため2本打つ、以降1か月ごとに1本打つとの説明が、注射器の写真とともに載っている。当然想定される副作用の記載もある。先生は「注射器は冷蔵庫に入っていて、冷たいまま打つと痛みを感じやすいので、数十分室温において常温に戻します」とのことで待合室で待機。数十分後、看護師さんに呼ばれて処置室へ。椅子に座っていたら、「お待たせしましたー」とその看護師さんが入ってきたのだが、手に持っていたステンレスの容器に入った注射器を見て驚愕した。パンフレットの写真よりもデカい。2倍、いや3倍・・・。動揺しつつ看護師さんの説明を聞く。「2本注射します。腕でもお腹でもどちらでもいいですが、どっちにしますか?」と。お腹に注射って、なんか想像できなかったので、「じゃあ腕でお願いします」と言ったら、「お腹のほうが痛みは少ないんですけどねー」と。 ・・・それってズルくない?こっちが腕で決断したんだから、「腕ですね。わかりました」でいいじゃん。「腕で」と言ってしまったし、腹毛モジャモジャでちょっと恥ずかしかったので「まあ、腕でいいです」と返答。上着を脱いでTシャツになり腕まくり(まず右腕)。「スプリング式なので、バチンと少し衝撃があります」とのこと。連日TVで見るコロナワクチンのようなポンプ式の注射器ではなく、初めは針が隠れていて、なんかボタンみたいなのを押すとスプリングの勢いで針が飛び出し、皮膚の下のいい感じのところに針が刺さる仕組み。「バチン」と衝撃があった時は少々痛かったが、薬剤が注入されている約10秒間のほうが痛かった。左腕も同じ要領で完了。「少し待合室で待って、体調に変わりがないか確認します。問題ないようでしたら血圧を測って終わりです」とのこと。体調は特に問題なかったので、自動血圧計の前まで移動し、椅子に座って右腕を突っ込もうとした時に、はたと体が固まった。血圧を測る時に、かなり強めにギューーっと締め付ける場所は、今まさに注射したところではなかろうか。注射したところって、少なくともその当日は可能な限り触ることすら気を付けるべきではなかろうか。そんなことを考えていたら、次に血圧を測る人が後ろで待機していることに気づいたので、恐る恐る腕を突っ込んで、スタートボタンを押した。じわじわと締め付けられる右の二の腕。まあここは病院だし、二の腕がこれまでに経験したことのない未知な状態になったとしてもすぐに処置してもらえるだろう。幸い注射部位は無事だった。お会計して病院をあとに。次回は約一か月後。月平均10回ほどトリプタンを飲んでいる筋金入りの慢性頭痛患者が、エムガルティによって頭痛の回数がどう変化していくか書いていこうと思います。

たのむぞ 信じてるぞ エムガルティ